キズナ~私たちを繋ぐもの~
「はあっ、や」
私の声に一瞬動きを止め、ためらうように覗きこむ。
「イヤじゃないか?」
「ちが……。や……じゃない」
嬉しい。
私と兄の間にあった固い壁のようなものが溶けだしていく。
「アヤ、好きだよ」
「は……あん」
「好きだ」
体中が、熱い。
誰かに抱き締められるのなんて、初めてじゃないのに。
訳が分からなくなるほど熱い。
兄は丁寧に、私の体中にキスをした。
まるで、兄の唇で全てを塗り替えられたみたい。
彼の前で、妹じゃなくて女になる。
多分この1年は無駄じゃなかった。
私たちが変わるために、必要な期間だったんだ。
「いい?」
兄の掌が私の掌と重なって、体も溶けあうように重なった。
今のあなたと私を、永遠に残したい。
このままずっと一緒にいたい。
それくらい幸せで、どれ程この時を望んでいたのかを、身に染みて思い知った。