キズナ~私たちを繋ぐもの~
その後1時間ほど司と話をした。
司は今は一人で、相変わらず両親とはいまいち上手くいってないままだけど、別に気にもならないと言う。
私と別れたことで、ケンカなんかはしなかったのかと聞けば、何にもないよと笑って言った。
相変わらず、どこまで本当かは分からない。
けれど、彼の言う事を信じるしかないのだろう。
店内に流れる綺麗な音色と、司との和解の安心感から、私は珍しく酔っぱらった。
店をでる頃には、達雄の腕に巻き付きながら、ひたすら笑っていたくらい。
「綾乃、しまりが無いぞ」
「えへへへへぇ。だって、嬉しいもん」
「ったく。酔うなんてめずらしいな」
「だってぇ。安心したんだもん」
「え?」
「司とぉ、会えたから。……笑って、くれたから安心した」
「アヤ」
コインパークに停車した車まで辿りつき、まるでお姫様にでもするみたいに、達雄が助手席のドアを開けてくれた。
私が座った途端に座席の背もたれを下げられる。