弟矢 ―四神剣伝説―
柵の壊れた箇所まで回りこむのは面倒だ。乙矢は柵を乗り越えながら、新蔵らに向かって必死に叫ぶ。
だが、そんな乙矢の絶叫すら耳に届かず、正三はふたりに斬り掛かった。
「なんという事だ!」
「え? 剣をって」
瞬時に理解した長瀬に比べ、新蔵は訳がわからず、棒立ちのままだ。
「新蔵、伏せろ!」
長瀬は新蔵に飛びついた。
彼は、咄嗟に地面に引き倒され瞬殺は逃れた。だが、鬼の声を聞いた正三の目に、彼らは敵として映っている。
正三は眼前の敵を倒すため、続けて長瀬を襲った。
「嘘だ……嘘だろ? なんで織田さんが、そんな馬鹿な……」
「正三っ! 正三……目を覚ませ。『青龍』を放せ……放すのだっ!」
長瀬も必死で応戦するが、二十年来の付き合いである正三を、敵とみなして斬ることはできない。
いや、本気で斬りかかる勇者の血を持つ剣士を……『鬼』を押さえる力量は長瀬にはなかった。
だが、そんな乙矢の絶叫すら耳に届かず、正三はふたりに斬り掛かった。
「なんという事だ!」
「え? 剣をって」
瞬時に理解した長瀬に比べ、新蔵は訳がわからず、棒立ちのままだ。
「新蔵、伏せろ!」
長瀬は新蔵に飛びついた。
彼は、咄嗟に地面に引き倒され瞬殺は逃れた。だが、鬼の声を聞いた正三の目に、彼らは敵として映っている。
正三は眼前の敵を倒すため、続けて長瀬を襲った。
「嘘だ……嘘だろ? なんで織田さんが、そんな馬鹿な……」
「正三っ! 正三……目を覚ませ。『青龍』を放せ……放すのだっ!」
長瀬も必死で応戦するが、二十年来の付き合いである正三を、敵とみなして斬ることはできない。
いや、本気で斬りかかる勇者の血を持つ剣士を……『鬼』を押さえる力量は長瀬にはなかった。