吐息が愛を教えてくれました
「あ、愛情?」
「そうだ。俺だって、照れるし言いたいことを素直に言えないこともある。
そんな時には、実里の左耳に極上の甘い言葉を言ってやる。
そんな時には、実里は単純に愛されてるって感じて喜んでくれればいいから。
……左耳は、俺の愛情でいっぱいの宝箱ってことだ」
「う、うわっ……照れるよー」
「お、俺の方が照れてるんだ。もう、二度と言わない。だから、この先俺が左耳に何かを囁いたら、どれだけ俺が実里のことを愛しているのか実感して溺れてろ」
甘すぎる言葉を聞かされて、溺れるどころか既にどこかに沈んでしまったかのような心境。
千早が私を心から愛しているとわかっただけでも嬉しいのに、それ以上の気持ちを与えてくれた。
たとえ私を心から愛していなくても、嫌いじゃなければ、そして、側にいてくれるならそれでいいと思っていたけれど、それは全くの嘘だとわかる。
心から大切な人から、自分と同じだけの愛情を返してもらえることの幸せを知れば、これまでの自分はごまかしばかりの中で生きていたと気づく。
愛する人には愛されたい。
自分が愛した分だけ、同じように愛されたい。