蜜色チェーン―キミと一緒に―


「うわ。平日でも結構混んでるんだな」
「本当だ……。拓海くん、人ごみとか嫌いなのにね」


車を止めて入口に向かうと、開園前なのに並んでいる人が見えた。

連休だとかに比べればかなりいい方だとは思うけど……。
中途半端な時期の平日だし空いてるんじゃないかって思っていたから、期待が外れてガックリする。


「大丈夫だから、由香は気にせず楽しんで」
「でも、なんで急にここに来ようなんて言い出したの?
疲れてるなら、もっとゆっくりできるところでもよかったのに」
「疲れてサボったわけじゃないよ。
ただ、由香と楽しみたかっただけ。
考えてみれば、いつもどっちかの部屋で過ごすばかりで、デートらしいデートってしたことなかったから」
「……デートって、だって付き合ってないから当たり前だよ」
「だとしても。
俺みたいなやつとずっと一緒にいてくれるお礼に」
「お礼?」
「細かいことはいいよ。ほら、開いたみたいだから行こう。
フリーホール系以外だったら付き合うから」


拓海くんの言葉が気になりながらも、差し出された手に気持ちが浮かれちゃって。
ふたりで笑顔になりながら夢の国に入国した。




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