蜜色チェーン―キミと一緒に―
そして、私に気づいたその人を見上げる。
「―――あ、あのっ」
まず、自分でも声が出た事にびっくりした。
この3日間、どうにかして話そうとしても、勇樹に怒られても出なかったのに……。
「何か?」
宮坂さんに聞かれてハっとして、掴んでいた手を離す。
「あの、私、拓海くんの……沖田拓海さんの友人なんです。
彼が今どこにいるか知りませんか?!
木曜日から連絡が取れなくて、どうしたらいいのか分からなくて……」
宮坂さんは拓海くんの名前を出されたからか、少し驚いた後、私を見た。
「僕と沖田がどういう関係か知ってるんですか?
……同じ会社の受付の方ですよね?」
「はい。私、野原っていいます。
沖田さんとは7年前からの友人で……あなたとの関係も、社長との関係も知っています。
沖田さんが、あなた達に嫌がらせをして、会社を辞めようとしている事も……」
そこまで言うと、宮坂さんの眉間にわずかにしわが寄った。
そして、何かを考え込んだ後「そう」とつぶやく。