蜜色チェーン―キミと一緒に―
勢いよく振り向いた私に、玄関に立つ拓海くんが微笑む。
外は雨が降っているみたいで、拓海くんの髪からポタポタ滴が落ちていた。
「体調悪いなら、寝てなきゃダメだろ」
「なんで……?」
声が震える。
泣きそうになっている私に、拓海は困り顔で答えた。
「なんではこっちのセリフだよ。
なんで俺がいなくなったくらいで、そんなにボロボロになってるんだよ。
声が出なくなった上に、過労と寝不足で倒れたとか聞かされたら……心配にもなるだろ」
「だって……」
「由香にはバレてると思うけど……俺はそこまで冷たい人間にはなれない。
ずっとそうなろうと努力してきたけど、やっぱり無理だった。
由香が倒れたって聞いて放っておけるわけないだろ」
「拓海くん……」