俺が唯一愛した女
そうだあの時..
" あなたは大きくなったらお父サンみたいになりたいのよね?"
"うん!ゆうとね、沢山お勉強してお父サンみたいになるんだ!"
俺は..
" お母サン?誰がアンタの母親よ!私はアンタの母親じゃない…いらない、関わりたくもない。ごめんね優斗… 今日でさよならね "
玄関の閉まる音。
突然の事で
何が何だか解らないまま
裸足で母親を追いかけた
追いかけて
追いかけて
追いついた俺に母親は
" アンタなんか産まないで殺しとけば良かった "
そう吐き捨てて消えた
ガキの俺は真っ直ぐ家に戻り
何日も何日も
帰って来る事のない母親を待ち続けていた。
" お母サン… "
1週間…
2週間…
3週間…
日に日に食べる物も底をつき
どんどん体重が落ちていく…
意識も朦朧とする
そんな中
" 優斗!!"
息を切らして俺を向かえに来たのは
ずっと待っていた母親ではなくて
親父だった。