俺が唯一愛した女
酒と女
3月下旬..
「ここが俺の働いてる店♪」
シンヤサンの車から降りた俺は無言で
今日から働く店の入り口を見つめる。
「早く入れ!」
そう言って
シンヤサンは店の中に
俺を案内してくれた。
『……。』
薄暗い店内
そこは
想像以上に綺麗な室内で
スーツ姿の男がウロウロしている。
初めて見る光景に
内心驚きつつ店内を見回す。
「まだ開店時間じゃねえし、適当に座りな!」
『あ、はい…』
変に緊張して思わず敬語になる
「ハル…ソイツ誰?」
ウロウロしている
スーツ姿の男の1人が突然
シンヤサンに話しかける。
「おう聖夜、コイツは今日からここで働いて貰う奴♪」
" 聖夜 "と呼ばれた
この男の見た目は
固まってんの?と思う位
完璧にセットされた金髪
綺麗な顔立ちにキリっとした眉毛
「新人か…」
聖夜は俺の事をまじまじと見る。