俺が唯一愛した女


『いや、これって新品じゃ…』



明らか祖を通した跡がない新品のスーツ



「ははっ、プレゼント♪俺からの就職祝い~」



『いや、こんなの貰えね…』



「可愛くね-な。こういう時は大人しくありがとうって貰っとけ!」



『え、ありがと、う…』



「いいえ♪指名が取れるまで最初は基本ヘルプばっかで色々あると思うけど… 頑張れよ!」



にっと笑う聖夜サン。



『解った』



聖夜サンは


店が開店するまでの間俺に



簡単な割りの作り方
煙草の火のつけかた


店のメニューを色々教えてくれた。



そして店は開店。



「おい新人、早く割り物」



『はい…』



割り物とは


芋焼酎等で割る
ソフトドリンクの事..



「ネクターも」



『解りました』



客と一切話す事なく
黙々と作業をする俺。



なるほど


ヘルプってのは簡単に言えば
指名持ちホストのお手伝いさんかよ。



お酒は琢磨サンの所で何度か
作ったりした事があるから



直ぐに理解出来た。



けど


客が煙草を加えたら
直ぐ火の用意をする



その意識はどうしても忘れて



話をしていたりすると
タイミングがズレてしまう。



この頃の俺は



その度ちゃんと相手を見ろと
何度も何度も怒られていた。

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