俺が唯一愛した女


『…軽蔑?』



「まあ大袈裟に言えばの話だけどな。…この不況な時代、夜人間の俺が昼に戻りたいと思っても過ぎた時間はもう後戻り出来ねえからな」



『……。』



「決めるのはお前自身だ。よく考えて答えを聞かせて」



『……。』



話すだけ話しソファーから
立ち上がったシンヤサンは



黙り込む俺の頭を軽くぽんと叩くと



「今日も1日頑張ろうな」



そう言って部屋から出て行った。



『……。』



シンヤサンが部屋から出て行った後



俺は暫くの間


ソファーに座ったまま
将来の事を考えていた



将来…



俺がしたい事やりたい事って
あるのだろうか?



ガキの頃からの夢は
音楽で飯が食える様になったらと思ってた



けど優衣に出会って



180度
俺の中で将来の考えが変わった



高校卒業したら
優衣と結婚する



彼女を幸せにする
彼女を養うために



どこでもいいから
働くつもりだった



けど今は?



優衣を失って



流れのままに何となく
生きている今の俺には



将来の事と向き合って
考えた事のない俺には



この先何がしたいか解る訳がない

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