俺が唯一愛した女
彰人サンの病室の階にある
ディルームで飯を食った俺は
ディルームの壁にかけてある
小さなカレンダーを見ていた
『もう12月か…』
もうすぐ
優衣が亡くなって1年になる
人が少ない
静かな部屋は心が落ち着く
『病室戻るか…』
食べ終わり戻ろうと
立ち上がった優斗は
ふと廊下を早足で歩く
看護士達と親父の姿…
" …血圧と脈拍は? "
『親父…』
あんなに急いで誰か急変でもしたのか
まさか…
『親父!』
「優斗、櫻井サンが…」
親父の真剣な表情に俺の
心臓の動きが早くなる。
『……。』
俺は親父より先に
慌てて彰人サンの病室に戻った。