英国喜劇リトレイス
――ゾクッ
「っ!!」
身体中が粟立った。
先にあるのは闇、どこまでも暗くて冷たい。
……あんなところを行かなきゃいけないのか
「カレンも、通っていったのか?」
カレンは力なく首を振った。
「私の場合、選択権はありません。気付いた時にはその更に奥でした」
「……悪いこと聞いたな」
「いえ…」
カレンは細かく肩を震わせていた。
「なぁ…」
「?」
「カレンは、どっちがいいんだ?」