英国喜劇リトレイス
ちょっと呆れた風に俺たちを見て、セルマは語りだした。
「ディゼルの命は神──つまり、ロシュ・アレクトに逆らうことで減っていったの。それは、魔法でも何でもない、世界が出来たときからの法則。つまり、理(ことわり)なの」
「……」
セルマは、紙を取り出して何か絵を描いていく。
いくつもの円が、線でつなげられて、文字のようなものが細かく描かれていく。
「これは…」
「生命の樹な」
セルマは小さく頷いた。
「十字教に通じる貴方たちなら知ってるよね。そう、セフィロトの樹。これに描かれる円が万物の位を示しているの。
そして、この上のが神様。その近くは天使。そのしばらく下にあるのが人間」
セルマはペンをインクに浸して続ける。
「この円のことをセフィラって呼ぶの。そしてセフィラを越えた干渉は、主たる神にのみ許される力。人が手を出すと、ディゼルみたいに命が削られていく」
「ディゼルの命は神──つまり、ロシュ・アレクトに逆らうことで減っていったの。それは、魔法でも何でもない、世界が出来たときからの法則。つまり、理(ことわり)なの」
「……」
セルマは、紙を取り出して何か絵を描いていく。
いくつもの円が、線でつなげられて、文字のようなものが細かく描かれていく。
「これは…」
「生命の樹な」
セルマは小さく頷いた。
「十字教に通じる貴方たちなら知ってるよね。そう、セフィロトの樹。これに描かれる円が万物の位を示しているの。
そして、この上のが神様。その近くは天使。そのしばらく下にあるのが人間」
セルマはペンをインクに浸して続ける。
「この円のことをセフィラって呼ぶの。そしてセフィラを越えた干渉は、主たる神にのみ許される力。人が手を出すと、ディゼルみたいに命が削られていく」