英国喜劇リトレイス
夕食後の俺の自室。
ドサリ、といかにも重そうな音を立てて俺の机の上に書類が置かれた。
「……なんだコレは」
「書類」
「んなもん見て分かる!! 何でこんなもんが俺のとこに来るんだって言ってんだ!」
そんなことを言っている間にも座った俺の目線よりも高い書類の山がドサドサと……一、二、三、四五六七八。
八つ。さすがに俺が書類に埋まる。
「多い…つか多すぎだろッ!!」
「あー重かった」
運んできたイアンは肩を揉んで首を鳴らす。
そしてさっと手帳を出して読み上げた。
「えーと? 隣のウェールズとスコットランドとの国境問題に、納税、この地方の議会の設立に……あとのは全部議会から提出された法案」
「……」
言葉がもう出てこない。
頭が痛くなってきた。
この痛みは錯覚じゃない。そうに違いない。