英国喜劇リトレイス
「これのチェックとサインが今日の仕事です」
そう締めくくってイアンは手帳を閉じた。
「嘘だろ?」
「現実」
信じたくない。信じるものか。
「何で俺が」
「ディゼルがここの統治者だから」
「やりたいといった覚えはないけど?」
「知らね」
「投げ出すなッ!」
バン、と机を叩くと天辺の紙がハラリと落ちる。
イアンは我関せずと部屋の椅子で伸びをしている。
「ねぇーイアンくーん」
「んー?」