「金剛戦士Ⅰ」黎明の夢
ところが戦いに参加した国々の連携が、今ひとつ上手くいかずに、いたずらに損害を重ね、僅かに傷を負わせるに留まった。

東南アジア、オーストラリア、オセアニア上空の三生命体には、オーストラリアやニュージーランドの部隊の獅子奮迅の活躍もあり、二生命体を撃破して、撃ち落とした。

一体はインド洋に、もう一体は南太平洋に砕け散っていった。

もう一体の東南アジアに侵入した生命体は、東南アジアの結束した攻撃により、大きな傷を負い逃れて行った。

しかし、勝利と引き換えに、この地域に残存する攻撃能力は、ほぼ無くなってしまった。

すべての部隊が、全滅に近い被害を受けてしまったのであった。

連合本部
李は各地から送られてくる情報を集め、状況を分析していた。

総合的に判断して、全軍、よく奮闘しているものの、我が軍の損害が大きすぎる。

戦闘部隊の損害だけではなく、地上の施設の損害も続々と入ってくる。

世界各国、各地で一部の放送局や発電所、空港施設などが機能停止になってしまった。

また街灯や信号が点灯しなくなるとか、踏み切りの遮断機が作動しない、工場の生産ラインが止まるなどから始まり、各家庭の電灯が点かなくなるなど、実にさまざまな被害が発生しているようである。

おそらく戦闘の過程で、生命体が無差別に反撃のエネルギー波動を発射したのであろう。

そのエネルギー波動が流れて当たった所に、被害が出ているのであろうと推測された。
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