「金剛戦士Ⅰ」黎明の夢
上空を目を凝らして、よく見ると生命体の近くに、ごく僅かな小さな輝きが、幾つか見えるような気もするのだが、星かもしれないし、はっきりとは判別できない。

とにかく吉里は、自分の使命は敵を撃滅することにあり、上空に浮かぶ生命体の攻撃に専念することとした。


勇太も、間もなく生命体の上空に到達する。

遠くからは一体の生命体が、小さくかすかに見えるが、他には何も確認できない。

教王護国寺の戦士たちは、生命体よりも遥かに小さくて、勇太からは確認できていない。

勇太は乗員たちと相談し、地球人類の為になるならと、最終的に体当たりをして生命体と刺し違えてもよいと覚悟を決めていた。

近づくにつれて、少しずつ生命体が大きく見えてくるが、遠くから確認できる生命体は一体のみである。

地球連合本部からの発信は、残存部隊をハワイ諸島へ集結させる指令を最後に、その後は発せられてなく、勇太には現在の状況が判別できないでいる。

しかし他には、何も見えない以上、勇太は、浮かんでいる一体の生命体以外は、敵も味方も全滅してしまったのかも知れないと考え、乗員に体当たりを敢行するかどうかの決を取ることにした。

一人でも反対者が居れば実行しないつもりでいたが、結果は全員賛成であった。

意を決し、生命体の上空へと向かう・・・

教王護国寺の戦士たちが間合いを計り、徐々に間を詰めながら、横に展開してゆく。

生命体は何を考えているのか・・・全然動かずに、静かに浮かんでいる。

その時、頃合を見計らっていた吉里艦長が、攻撃開始を決断し、機関を始動するように命じた。
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