女王様のため息
まるで家族のようだというのは、言葉通り、海は私の親戚だから。

私の兄貴と海のお姉さんが結婚したから。

一応義理の兄弟ってことになるのかな。

高校生の時以来、その関係はうまくいっていて、必要以上に仲良くしていると思う。

いい年した女の寝室に平気で入る男なんて珍しいし、ありえないかも。

まあ、その意味で言えば、女の一人暮らしの部屋に当たり前のように出入りして何もないっていう二人の関係も貴重だけど。

「俺は今日暇だから、夕方布団を取り込んでから帰るよ。真珠に何か用事があれば出かけていいぞ。今日は合い鍵持ってるから」

お互いの部屋の合い鍵を持っているっていうのも、おかしいかな。

出張が多い海に頼まれて、留守にする部屋に風を通したり、植木にお水をあげたり、新聞をまとめたり。

こまごまとした用事をこなすために、海から合鍵を渡されて長いけれど、その間にも海に彼女がいた事もあったな……。

それって、海は困らなかったんだろうか?ん?

彼女とラブリーな時間を過ごしている時に突然私が部屋に入ってこないかとか、不安じゃなかったのかな。

幸いにも、そんな驚くべき興味津々な場面にぶち当たったことはなかったけど。
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