ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
 私はソファに浅く腰掛けながら、たっちゃんが“そんな物”と言った物を見た。


 それはテーブルに置かれた2本のお茶のペットボトルだ。表面には微かに結露が着いている。


 和也が二人で飲もうと思い、たぶん冷蔵庫から出して持って来てくれたのだろう。何の変哲もないお茶のペットだけど、“そんな物”なんかじゃない。


 私はたっちゃんの言い方に、無性に腹が立っていた。


 すぐにたっちゃんは戻って来た。ティーポットやティーカップが乗ったトレイを両手で持って。


「お待たせ」


 と言いながら、たっちゃんは私の向かいではなく横に座った。肩と肩が触れ合う程近かったので、私はそうならないように少し横にずれた。


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