やっぱり、好きだ。




 その日から、今日は元気だろうか?? 悲しい顔をしていないだろうか?? と桜井先生を目で追う様になった。

 『今日も1日頑張りましょうね』『今日も疲れましたね』などと毎日メールして。

 桜井先生を利用して自分の心の穴を埋めようとした俺を、少しでも卑怯者にしない為に優しい人間を装う、俺は最低人間だ。

 そんな俺のメールに桜井先生は『いつもメールありがとう』と返してくれる。

 『ありがとう』という文字を見る度に申し訳なくて苦しくなるのに、いい人ぶりたい俺はメールを送るのをやめない。

 最低過ぎる。

 きっとサヤ子センセは、こんな俺の本質を見抜いていたんだろうな。

  可愛いヤツを装ったって、身ぐるみ剥いだらこんな人間だもんな、俺。
< 329 / 353 >

この作品をシェア

pagetop