やっぱり、好きだ。
 
 「でさぁ、女の方が人数多いって、女性に対して失礼な状態じゃん??」

 はい、来ました。和やか空気を切り裂く朝倉先生の速球トーク。

 まぁ、面白いからいいけど。

 「・・・そぉ??」

 「イヤ、サヤさんは大学時代嫌われてたから1人余る状況とか平気かもだけど、世間的にはありえないんだって、この状況」

 サヤ子センセに失礼極まりない事を言って、朝倉先生はギムレットを飲み干した。つか、全然ありえなくねーし。

 朝倉先生は『ビールは嫌いじゃないけど、アルコール度数がケチケチしている。

どうせ飲むなら強めで』と言って、乾杯時、ひとりだけギムレットを握りしめていた。

 可愛い顔の朝倉先生は、本当にギャップ人間。 口は悪いし酒は強いし。

 でも、嫌いじゃないんだなー。この憎めない感じ。コイツもまた、ズルイヤツだ。

 「サヤ子は別に嫌われてねーし。全部俺のせいだし」

 普通にしょんぼりする青山先生。めんどくせーな。

 この人、10年前の反省をここ半年で何回してんだ??

 「あー、その話何回も聞いたからどーでもいいッス」

 朝倉先生の話が青山先生の後悔話に移行するのを阻止するべく、バッサリ打ち切ってやると、

 「・・・最近、安田キャラ変わったよね??」

 サヤ子センセが笑いながら俺の方を見た。
< 340 / 353 >

この作品をシェア

pagetop