Oursecret
)キー…ン


すると突然耳鳴りのような音が音楽室中に響いた。そこにいた全員が耳を塞いで鳴り止むのを待った。15秒くらいはたっただろうか。音が鳴り止むと2人は立ち上がった。

「そろそろ時間みたい。」

舞花は寂しそうな表情でみんなを見渡した。

「時間って?」

私は急に言われて何のことだかわからなくて聞いた。


「実はね、俺たち一度消えてるんだ。それで何か一言でも伝えたくて大御上にお願いしたんだ。それで今こうやって話してる。でもそれにもタイムリミットがあってそれが今の音。だからもう行かないといけないんだ。」

座っていた人が全員立ち上がり消え始める2人の方を向く。


「嫌…嫌だよ。そんなの。消えるなんて嫌だよ!」


涙が吹き上がるのを堪えながらも必死に叫ぶ。その間にも2人の身体は薄く、そして下の方から消えていく。その場にいた誰もが涙をこぼす。


「「優希!」」

「「舞花!」」


私達はそれぞれに叫ぶ。2人はフッと微笑んで最期の笑顔を見せた。それと共にほぼ半分が消えかかった。

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