わがままハーブティーはいかが?



すると、西島はハンドルを握りしめ前を向いたままこう言った


「ですから、わたくしにとってお嬢様は大切な存在でございます。・・・それ以上もそれ以下もございません。」



・・・いつも、そればっか

それ以下もそれ以下もないってどういうこと?

そのくせ、昴には渡したくないとか言って意味が分からない

なぜか、私はムキになってしまう


「・・・ほんとに、それだけ? それってさ、執事の立場で言ってるだけじゃないの・・・?」


西島は前を向いているから表情はわからない


『ねぇ、何とか言ってよ!』


と、言おうとしたが頭痛が激しくなり頭がクラクラしてきた

私は額に手を置いた

少し、熱があるようだ


やっぱり西島の言う通り

この執事は私のことがよくわかり、よく理解してくれている


ねぇ?西島
ほんとは私のことどう思ってるの?


私は額に手を置いたまま座席に倒れこんでしまった


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