ライアーライフスタイル
クラス中が山村と私に注目していた。
虫の居所が悪かったのかもしれない。
さんざん冷やかされてストレスが溜まっていたのかもしれない。
それまで穏やかにかわしてきた山村は、ついに声を荒げて言い返した。
「そんなわけないだろ!」
女子たちは歓喜し、私だけが密かに傷つく。
大きな声を出さなくたって、そんなのみんなわかっているのに。
心無い男子が面白がってヤジを飛ばす。
「でも二人で練習したんだろー?」
山村は必死になって言い返した。
「最初は一人でやってたんだよ。でも途中でつる子が乱入してきたんだ。ビックリしたんだ。別に俺、一緒に練習したかったわけじゃないし。つる子に絡まれて、むしろ迷惑だったし!」
本当に、必死だった。
泣けちゃうくらい必死だった。
そして。
「だってつる子、ブスじゃん!」