ライアーライフスタイル

クラス中が山村と私に注目していた。

虫の居所が悪かったのかもしれない。

さんざん冷やかされてストレスが溜まっていたのかもしれない。

それまで穏やかにかわしてきた山村は、ついに声を荒げて言い返した。

「そんなわけないだろ!」

女子たちは歓喜し、私だけが密かに傷つく。

大きな声を出さなくたって、そんなのみんなわかっているのに。

心無い男子が面白がってヤジを飛ばす。

「でも二人で練習したんだろー?」

山村は必死になって言い返した。

「最初は一人でやってたんだよ。でも途中でつる子が乱入してきたんだ。ビックリしたんだ。別に俺、一緒に練習したかったわけじゃないし。つる子に絡まれて、むしろ迷惑だったし!」

本当に、必死だった。

泣けちゃうくらい必死だった。

そして。



「だってつる子、ブスじゃん!」



< 155 / 380 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop