ライアーライフスタイル

「なんで私がいいの? わがままだし、してあげられることも少ないよ?」

おまけに顔は整形だし、嘘つきだ。

「女を好きになるのに理由なんかねーよ。俺の体が、勝手に好きになった」

「今のイイ。ゾクッとした」

やっぱり、舟木は魅力的だ。

彼に愛されてみたいという、好奇心が掻き立てられる。

「つーか、もうそろそろ限界なんだけど」

舟木が苦しげに顔をしかめる。

「何が?」

「苦しいんだよ。真咲に触れられないお預け状態が」

口説かれて得られる優越感は、私の必須栄養素。

特に舟木から得られるそれは極上だ。

苦しい思いをさせてしまっているのは忍びないけれど、私には私の事情がある。

せめて彼に報いようと、私は舟木の手をキュッと握った。

「触れたよ?」

そういう意味じゃないと、舟木は呆れを含むため息をついた。

そしてしばらく触れている私の手を愛撫し、指と指を絡める。

「もっとして?」

私がそう言うと、彼は舌打ちをして私の手を放した。

「もっと他のところも触らせろ」

「エロオヤジ」

「うるせーよ」

「ごめんね。意地悪で」

でも、彼は意地悪に接する私が好きなのだ。

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