ライアーライフスタイル
舟木が私を求めているのは、恋なのだろうか。
彼は豊富な恋愛経験がありそうだし、身の焦がれるような恋はとうに卒業済みだろう。
そして穏やかかつ冷静に結婚相手を探している。
「いい時間だな。そろそろ出ようか」
「そうだね」
付き合う気もないのに彼と会っている私は、彼を傷つけているのだろうか。
私が関係を曖昧にしたままデートをするのは、イイ男に言い寄られる優越感を味わうためであり、その先の関係や結婚には興味がない。
舟木は私を十分に満足させてくれた。
限界だと言うのなら、もう曖昧な関係に甘んじてはくれないのだろう。
私は彼を解放するべきかもしれない。