中指斬残、捌断ち儀
僕の歩くペースに合わせない伯母さんはヒールがある靴で、浅く積もった雪に穴をザクザク開けて闊歩する。
それなりの距離ができたら、思い出したように後ろを振り向き、待つことが何回も繰り返された。
公共の交通機関や人が行き交う商店街を歩いたときは、僕のペースに合わせるどころか、手も繋いでくれたのに、山間の人気が一切なくなったこの道に入るなりこれだ。
なんで?と思う前に、待たせてしまっているという焦りで、僕は小さな足をできるだけ早く動かし、置いていかれないように必死だった。
けれどまた、伯母さんを待たせてしまう。当たり前だ、歩幅が圧倒的に違うのだから、ゾウとアリは言い過ぎでも、両者が踏み出す一歩というのは歴然たる差がある。