中指斬残、捌断ち儀
長々と言われたけど、僕が理解できたのは最後だけ。『やっぱり教えちゃいけない』と二重にして、頭に植え付けた。
一つ目の教えを施したあとに、伯母さんは階段に足をかけた。
ヒールで、しかもか浅いながらも雪が残る石段は見ただけで滑りやすそうなのに、慣れたものでかつかつと上る伯母さん。
百々の家との階段とは、幅も高さも違うために、浮かした足を下ろす動作にひどい違和感を覚えた。
転ばないようにと慎重に、当然、また伯母さんを待たせる結果になろうとも、『階段から落ちる』ことの方が怖いと思い、僕のスピードは遅いままだった。
舌打ちしたかは分からないけど、してよさそうな顔をした伯母さんが待つことにうんざりしたらしく、ある程度したら先に階段を上りきってしまった。