中指斬残、捌断ち儀


「体、だるくないか」


「……」


「怒ったりなんかしないぞ」


「……、ちょっと」


「いつから?」


「あさ」


「他に具合悪いとかないか。吐きそうとか、くらくらするとか」


「ない、です」


問診もそこそこに風邪と断定した五十鈴さんが、少し間を置いたあとに靴を脱いだ。


編み込みのヒモが脛まで絡まった中世剣闘士をイメージさせるデザインのサンダルは、案外、簡単に脱げるらしい。


巻き付く棒(足)を失った編み込みがでろん、と垂れる。


「ほら、渉。ランドセルを」


渡せ、ということなのか。こちらが察する前に、五十鈴さんは僕のランドセルを持って行く。背負う部分を片腕に通し、その手で自身のサンダルを持つ五十鈴さんは。


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