中指斬残、捌断ち儀


「乗れ。送っていく」


……、片膝をついて背中を見せる五十鈴さんは、かなり男前に思えた。


姉御肌っぽいとは性格的に分かっていたけど、彼女は時折、男以上に男前になるものだから、僕は複雑な気分になったものだ。


「おんぶ?」


「そうだ、乗り心地はどうだか知らないが、歩くよりはマシだろう。病人を歩かせてはおけない」


「くつ……」


「ん?ああ、私のこれはウェッジ……かかと部分が極端に高いから。転ぶことなんかないと思うが、誰かをおぶさるなら念のために脱いだ。素足ならばバランスも安定して、安心だからな」


サンダルに靴下なわけがない五十鈴さんの素足は、アスファルトを事も無げに踏みしめていた。


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