中指斬残、捌断ち儀
汚いとか痛いとか、五十鈴さんは感じないのか。と思っても、それら全てが“二の次”になる判断を彼女はしたに過ぎない。
公言した通りに、誰かをおぶさるにはかかと高い靴は適さないだけの話であり、彼女は僕のためにこんな行動をしてくれた。
「ボク、おもいよ……です」
「子供一人背負えなくして、何が大人か。いいから乗れ。しゃがむ体勢を維持するのは、きついから」
なかなか乗らない僕に対しては有効的な指示の仕方だった。
乗らなきゃ五十鈴さんがつらい、と頭に入った僕は五十鈴さんの背に乗る。
「私の首をがっしり掴め。――ゆるい、それじゃあ落ちるぞ」
遠慮がちな腕を少しだけきつくしたところで、五十鈴さんが立ち上がった。