中指斬残、捌断ち儀
「じゃあ、歩くぞ。このまま真っ直ぐでいいのか?」
僕の家を知らない五十鈴の問いに、「うん」と言ったあと、伯母さんの「家の場所を教えてはいけない」という教えを思い出した。
「ぁ……」
「どうした?」
「……、な、なんでもない」
俯いて、言うのを拒んだ。
揺れる背中、僕を支える片腕がよいしょっと上がる。また一つ高くなった視線に、僕は『一人で帰る』と言えなくなった。
家の場所を教えちゃ駄目ならば、五十鈴さんから降りて、一人で帰らなきゃいけない。
伯母さんの教えを守るには、そうしなきゃいけないんだろうけど。
「そういえば、算数のテスト、いっぱい解けたんだろう?今頃、お前の先生が花丸でもつけてくれているところかな」