中指斬残、捌断ち儀
五十鈴さんと一緒にいたかった。
笑顔ある声が、おんぶしたことによっていっそう近く感じられる。背中だけど、こうして誰かと接していられる温もりは夏の暑さがあっても関係なく心地よく思えた。
「はなまる、かな。あたっている……ますか?」
「当たっているさ。間違えた時にはまた復習しておけばいい。その答えに私が花丸をつけよう」
初めて、伯母さんの言いつけを破ったときだった。
五十鈴さんと一緒にいたいという願望が大きいのもあったけど、子供なりに『昼間は伯母さんがいない』と計算していた。
確信ができるほどだ。僕は伯母さんに一度も『おかえり』と言われたことがないのだから。
要は、バレなければ大丈夫だと驕っていたんだ。