中指斬残、捌断ち儀
ゆりかごみたいな背中の乗り心地にうとうとしてきた。
鼻先を擦る、灰色の髪からは、お日様と葉っぱの匂いが混じった自然の香りがした。
フクロウとして飛び回るからだろうか、獣臭さはまったくもってないのに。
「いつごろ、ボクもフクロウになれますか?」
なったら五十鈴さんと飛び回りたいと僕は思ったが、彼女は苦笑いをしたようだった。
「ならないよ。人間は人間以外なんかになれない」
「イスズさんはなってる」
「だから私は人ではないんだ。化け物……とはあまり心地よい響きではないが。私は渉とは違うんだよ」
「とくべつ?」
「特別なわけでもない、各地に私みたいな奴はごろごろいるからな。――まあ、けど、人間にしてみたら特別か。普通じゃないのは確かだから」