中指斬残、捌断ち儀


それについて、成長してからやっと気づくのだから、随分と遠回しな言い方で。僕自身が“化け物”というのを全肯定していたから、まさか否定されるとは思っていなかった。


付け加えておけば、僕は五十鈴さんを化け物だなんて見ていない。僕と同じと言ったのは、人外であるという点を踏まえてのことだ。


もとから人間ではない五十鈴さんは人外でも間違いなんかないが、人間たる僕が人外(化け物)だなんて自らを格下げするなと言いたかったんだろう。


人外だろうが何だろうが、人として間違った生き方をしなければ立派なんだと彼女は教えてくれた。


もっとも、この時の僕にはまだ彼女の意図が掴めていなかったわけで。


「うん」


分かっていないけど、分かったというのは誰にでもある。五十鈴さんが言うことは大概正しいことだし、今のも間違いなんかないんだろうと、僕は曖昧のまま頷いてみせた。


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