中指斬残、捌断ち儀
嘆息入れたあとに、「絶対に誰にも言ってはいけないぞ」とつけ加えられた。
「後だな。知らない人を家に入れることも危ないからダメだ」
「イスズさんは、しっているよ」
「そういう意味ではなく……、まあ、知らない人だなんてここは家人が招かなければ来ないか……」
自己完結したらしい五十鈴さんが、家の正面にある門扉に向かおうとしたため、入り口は裏手側にあると教えた。
珍しい作りだな、と五十鈴さんの足が玄関に向かう。
「渉、カギは?」
「ランドセルのポケットにあり、ます」
「カギを取るから、ランドセルを開けてもいいか?」
プライバシー配慮な五十鈴さんに頷いてみせた。ランドセルの中にあるキーホルダーがないカギだけの寂しい物を取り出して、五十鈴さんはカギを開けた。……というか、この時は意識が朦朧としていて意識しなかったけど、僕を背負ったまま片手だけでランドセルからカギを取り出すだなんて、かなり器用なことをしていたんだと思う。