中指斬残、捌断ち儀
「って、なんだ。びっくりさせるな、この」
阿呆んだらめ、と額をつつかれた。
体調が悪化したわけではないのを僕の表情から読み取ったのだろう。
そりゃあ、緩みきった唇を見れば、体調が悪くなっているとは思わない。
甘えていただけだった、僕は。
何ともお恥ずかしい限りで、と五十鈴さんに謝りたくなるけど、久々のおんぶやら、風邪の心配をしてくれる彼女に僕は更に構ってほしくなったんだ。
幼稚すぎてなんとも鬱陶しい僕だけど、五十鈴さんはそれでも僕を突き放したりしない。
僕の好きに――背中の重みをそのままに、ハンカチで汚れた足裏を丁寧に拭いていた。
「待っていろ、いま」
こんなものだろ、と五十鈴さんがまた僕を背負って立ち上がる。