中指斬残、捌断ち儀
「うん」
「お前の伯母さんは、お前の呪いをこんなにも……、いや、すまない。早く横にならなきゃな。入るぞ」
無駄話でさえ毒になろうと襖を開けた五十鈴さんは、片足だけ畳に乗せるなり、また止まった。
「ここ、お前の部屋か?」
「うん。おフトン、そこ」
「あ、ああ……」
部屋の隅に畳まれたままの布団で、初めてここが“誰かの部屋”であると分かったらしい五十鈴さんが、もう片足を部屋の中に入れる。
僕の部屋には、家具がなかった。
机も、タンスもない。着替えやら教材は全部、畳の上に置かれていて、勉強する時は必然的に“寝そべった状態”でしていた僕。
不便だなとは感じない。“最初からそうだったから”、今更生活のスタイルを変えることはしなかった。