中指斬残、捌断ち儀
熱い日でも、山の中腹にある春夏秋冬の家は涼しさがあった。
万人が外に出るのを躊躇う日でも、僕はその日、夏休みの宿題たる絵に取りかかる。
題材は風景。ずいぶんと大雑把なものだったので、僕は簡単に春夏秋冬の家の参道――本殿(建物)側から見た景色を画用紙に描いていた。
石畳の道を真ん中に、左右対称の石灯籠までえんぴつで描いていく。
地面とオプションいくつかの簡単な絵を、僕は門扉前――神社で言えば、賽銭箱があるような床に腰かけて描くのでかなり楽な宿題だった。
去年だったら、五十鈴さんを描きたい――フクロウたる姿を描きたいとモデルになってもらって、見事その絵が表彰された経緯もある僕だけど。