中指斬残、捌断ち儀


「また、びみょーな……」


絵だな、と画板ごと描いたものを掲げて見た。


両腕を真っ直ぐにして、目との距離を置き、遠目から見ればそれらしく見え……るわけもないか。


去年のフクロウは、珍しい鳥類をこんな細やかに描けるだなんてという努力が認められたからであり、上手かろうが下手であっても、表彰されたんだろう。


本来、見ることが難しく見たとしてもすぐ逃げるような野鳥を細やかにも描けるのは、五十鈴さんが間近で動かずにモデルをしてくれたんだから。


遠慮と『去年描いたしな』という気持ちがあって、今年は近場のものを描いた僕だけど……画力がない。


習字なんかではよく賞状を貰ったりしたけど、絵の賞状は去年のもの以外は一生貰えなさそうだと、一人自虐に走るそんな時――かこん、と響く音が聞こえた。


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