中指斬残、捌断ち儀
「あんたがいなくなって、二人は幸福になったのよ。あんたがいた時よりもずっと幸せなの」
「……」
目に涙が溜まってきた。喉元が捲り上がるような感覚を持って堪えるも、一押しされれば一気に泣けそうだった。
「明子の嫁ぎ先は旅館で玉の輿。貞夫は若くて綺麗な奥さんを貰ったそうよ」
泣きたくなんかなかった。だから、聞きたくなんかないんだ。
新しい家族を持つ両親を。幸せになった両親を。
――僕を捨てたおかげで、笑っていられる両親なんか。
「なに、その目は」
もういいから聞かせないでと、僕を貶める伯母さんに初めて反抗した時だった。
反抗した――怒ったつもりなんかないけど、伯母さんにとっては“自分の話を聞こうとしないだけ”で反逆に近い憤りを感じたらしい。