中指斬残、捌断ち儀


逆に、“僕なんかを引き取り”伯母さんは不幸になって、“僕がいることで”伯母さんの苦悩は絶えない。


そうして、他人を不幸にする僕は、“僕自身をも不幸にする”。


幸せになっちゃいけないんだ、僕は。


僕のせいで苦しむ人がいる傍らで、どうして笑っていられる?


「あたしは幸福になるのを約束されたのに、あいつらは、あたしよりも幸福になって……!呪い子さえいなければ、あたしはっ」


ごめんなさい、ごめんなさい。


「ぼく……」


死ねない体だから、せめて笑わずに生きているのがいいんですよね?


口に入った土で上手く喋れず、虚ろなまま、伯母さんの爪先と玄関先を見て――笑う鮫歯がこっちを見ていた。


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