中指斬残、捌断ち儀
僕の返しに面白くなさそうな顔をしつつも、藤馬さんは「まあ、教えてやってもいいか」と下らなそうに答えてくれた。
「今更、今更ねぇ。べつにー、俺は“今まで通り”だったんだけどよぅ」
「今まで……?」
「わたるんの悲惨ぶりみてえから、今まで覗き見――俺が見てると分かれば、わたるん強い姿勢でいようとすんじゃん?
だから、見つかんねえよーに、“誰にも意識されない術”を俺自身にかけていたんだが」
だから伯母さんが始終、藤馬さんの存在に“見向きもしなかったのか”と僕の予想が当たっていたのを知る。半分だけ。
「“誰にも”……」
“伯母さんに意識されない”ではなく、“誰にも意識されない”とは、対象者が僕にまで及ぶ術なのか。