中指斬残、捌断ち儀
「そーだよ、誰にもだ、誰にも。わたるんにさえ対象になるもんでさぁ、事実、今までお前、俺が見ているだなんて思ってないだろ?」
「はい……」
頻度と隠れる場所にもよるが、今日みたいな“特等席”で見ていたのに気づかないであれば、藤馬さんお得意の“反則技”をかけられていたんだろう。
今まで、これが『いつも通り』と言っていた藤馬さんの言葉に繋がるとすれば。
「僕が、“見つけてしまった”んですか」
「目で捉えたのはてめえだが、捉えるようになったのはてめえのソレだよ」
くぃ、と顎をあげた藤馬さんが僕の後ろを意識させた。
「わたるんの成長に合わせて、後ろのも成長してるみてえだなぁ。過保護になってよぅ、そんなにわたるんに儀式させたいのねん。てめえがあんまりにも“二十歳前に死にそうだから”、後ろの奴は何が何でも力をつけなきゃならなくなった。
誰かを守る力ー、想いが人を強くするー、シシッ、馬鹿馬鹿しく成長しやがってよぅ」