中指斬残、捌断ち儀


負のスパイラルー、と藤馬さんが人差し指と中指を立てた。


「わたるん悲惨説、そのにー。当たり前と普通じゃないの区別ー、ま、これは水かけもそうだが、分かりやすく言えばこの部屋。家具が一切ない部屋なんか、自室って言いませーん」


空き部屋だわな、と畳を叩いた藤馬さんには、「布団があります」と何とか言ってみたが、吹き出された。


「ぶはっ、布団一つだけの部屋を自室扱いかよ。つうか、布団を家具扱い。家具ってもんは、机とか棚とかを指すんじゃねえの?仮に家具ジャンルに布団あったとしてもだ、この部屋を子供部屋と思う奴なんかいねえよ」


「でも、ここは……ずっと僕がいる部屋で」


「“唯一、いるのを許された場所”だろ。てめえはこの家に住んでんだろうが、どうせあのババアの自室とか――『入るな』って言われた部屋には足を踏み入れてないだろう?」


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