中指斬残、捌断ち儀
ぎちっと万力のように僕を掴む手が締め上げ始めるが、何かを気づいたように「おっと」と藤馬さんが離れた。
「あぶねえな、てめえの家族は過保護なソレだけでいいんじゃねえの?
わたるんは奥さま好きでもねえみてえだしぃ」
「僕だって……」
「『五十鈴さん大好きー』ってか?あの顔でよく言うなぁ。ババアのあめ玉どころか、夕食の中に好きなおかず入っていた時ぐれえの表現しかできてねえぞ」
「そんなこと……!」
ない、と続けようとしたところで、藤馬さんが畳を叩いた。
「あるんだよっ、クソガキ!でなかったら、あいつはうじうじてめえのことで悩まねえんだからな!」
放たれた怒声に体が縮んだ気になる。藤馬さんも柄にもない声だったかと、少し間を置いたあとに音量を下げた。