中指斬残、捌断ち儀
伯母さんと台所なり居間で鉢合わせするのは、なるべく避けたい。伯母さんの機嫌が悪くなるだろうから。
すれ違うような数秒ならばまだいいが、ご飯を作っているときなどに同じ作業をすることなんかできやしない。
伯母さんが自室に戻った隙に、シリアルでも持ってくるかと無難な策を僕は立てた。
春夏秋冬の家は、改修してあると言っても古いまま。廊下を歩けば、ぎいぎい枯れた木が軋むので、家人がどこにいるのかぐらい足音で丸分かりだった。
玄関から居間に向かう伯母さんの足音。そこから廊下には出ていないので、居間でお茶でも飲んでいるのか。
このまま居間にいられては台所に行けないなと、台所に行くには居間を通らなければならないという春夏秋冬家の造りのせいで、僕はそんなことを思ったが、まだ五時だしと、時間経過で良い方向に進んでくれることを期待していた。