中指斬残、捌断ち儀
まさかあの五十鈴さんが藤馬さんと同じように、僕の悲鳴が聞きたいわけじゃないだろう。
人間らしくない僕。今まで“そんな風にしか生きていなかった僕”に五十鈴さんはきっと悲しんでいる。
藤馬さんが『泣け』だとすれば、五十鈴さんが僕に望むのは『笑え』。
どちらとも『心から、思う存分に』という文字がつく。
それが、“人間らしさ”なんだ。
人を人とたらしめる心。感情を出し、自我を作り、生きている実感を持てる、機械や化け物なんかには兼ね備えられない部分。
僕にもあるんだ。
あるはず、なんだ……。
「……」
胸を掴んでも、心は感じ取れない。
見えない部位だからこそ、“使えるようにできているか確かめることができなかった”。