中指斬残、捌断ち儀


日頃使わなければ、廃れて劣化する。僕の心もきっとそうなっているはずなんだ。


だから、五十鈴さんと藤馬さんが僕に望むことができない。



五十鈴さんはそのことを面と向かって言わないけど、変わりに何とかして僕が“目一杯笑えること”を探してくれて。


藤馬さんとて、“声に出して泣けること”を僕にしてくれた。


藤馬さん側は荒療治に代わりない、後遺症が酷いものだけど――それもあの人なりの優しさなんではないかと僕は思いもした。


僕の勘違い、家族として見た藤馬さんを勝手に美化したせいかもしれないけど、あえて思ってみたかった。


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